生活に欠かせない借り換えローン
普通、日本の都市や住宅地は悪い条件だと思われているが、ポジティブに読み替えるのが、彼らのやり方だ。
日本発という意味では、メイド・イン・Tやペット・Aのプロジェクトが興味深い。
前者は、生コン、社宅、コンクリート・ミキサーの駐車場が一体化した「生コン・アパート」など、一見めちゃめちゃだけど、実は機能的な建物を発見する試み。
決して美しくはないが、使いやすい。
後者は、猫の額やうなぎの寝床のような狭い敷地ゆえに成立する建築をリサーチするもの。
建築と家具の中間ともいえる微妙なサイズである。
これらは、海外でけっこうウケており、展覧会が各地を巡回した。
M組も、NHK長野放送会館のコンペをきっかけにして結成された建築家のユニットだ。
構成員の経歴を見ると、S本一成やI東豊雄の系譜を引いている。
彼らは施主とじっくりと話しあい、できるだけ多くの条件を飽和させて設計を行う。
非作家的なデザインを提唱し、話題を呼んだ。
建築を特権化するのではなく、家具やクルマなどと同じ地平に置いて考える態度は興味深い。
例えば、可動のトレーラ16台をつなげた建築である。
団地を当たり前の風景とした世代ゆえに、批判するのではなく、残していくためのリノベーションのアイデア集も出版している。
個人ではなく、複数の建築家がチームをつくるユニット派をめぐっては、評価が分かれている。
建築評論家のI島洋一は、彼らが強い理念をもたず、表現意欲を放棄し、フラットな社会において、小さな差異にたわむれることを批判した。
つくることでしか時代を乗りこえられないと述べ、つくらないニヒリズムを否定する。
だが、ユニット派と同世代である筆者は、この評価に同意できない。
1960年代生まれの建築家は、都市に対して、きわめてポジティブな態度をもっている。
小さなことから革新は生まれてきたと考えるからだ。
ユニット派は、ネットワーク社会で生き抜くための組織である。
1930年代にブルーノ・タウトが発見した美しい日本のイメージは、完全にひっくり返っている。
ユニット派の世代は、伊勢や桂ではなく、東京のカオス的な建築や平凡な団地に注目しているからだ。
しかも、海外からの日本へのまなざしも、こうした側面に傾きつつある。
最近は、T下の建築ではなく、わざわざメイド・イン・Tを見たいという外国の建築家がいるのだ。
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